2011年11月24日木曜日

心に響くストーリーが、強いブランドを作る!

先日、生協組合員対象の研修に参加して来ました。訪問した先は、フィリピン・ミンダナオ島のビスカイヤ農園で栽培されたバナナを輸入して加工する会社です。

このバナナは、「フレンドリーバナナ」とネーミングされていました。研修では、この会社の責任者の方々から「フレンドリーバナナ」の栽培から加工、出荷までの一連のプロセスを丁寧に説明して頂きました。

“おいしいバナナはいい土から”をモットーに有機質肥料を90%以上使用して栽培されているそうです。年2回、土壌分析を行い現状把握と必要養分の追肥・施肥の実施を検討されているそうです。有機質肥料は農園内の専用工場で鶏糞、泥炭等を発酵させて製造されています。その製造された有機質肥料は、雨に流されないように全て手作業でバナナの根本に穴を掘り埋めておられるとのことです。

フレンドリーバナナの農園では、独自でISO9001、ISO14001を取得していますが、農園の品質管理や環境保全状態等を確認するため、日本からも毎年必ず生協担当者が現地を訪れ生産施設や備品の確認、生産指導を行っておられるそうです。

このように丁寧に生産されたフレンドリーバナナは、日本に輸入された後、全て「2段熟成方式」という糖度アップのために開発された職人的要素の入った画期的な熟成方法で丁寧に熟成される工程を実際に見学させて頂きました。さらに、「安全・安心」を商品コンセプトにしているフレンドリーバナナは、全て金属探知機による異物チェックを行った上で出荷されている現場も見せて頂きました。畑からお客様の手元に届くまで徹底した品質管理を行い、“安全・安心”をお届けすることがフレンドリーバナナのコンセプトですと、おいしいフレンドリーバナナの“こだわり”を丁寧に説明して頂きました。

見学後の質疑応答で、参加された生協組合員の方々から「こんなに丁寧においしいフレンドリーバナナを生産されていることを初めて知りました。もっと我々生協組合員に、このおいしいバナナづくりの“こだわり”をパンフレットを作って説明して欲しい」という質問がありました。その質問に対する、加工工場の責任者も、「もっと我々のおいしいフレンドリーバナナづくりのこだわりを説明していきたい」話されていました。

この質疑応答を聞いていて、11年間強いブランドづくりに身を置いて来たものとして、デフレが続く今の日本に必要なものは、真のブランドマーケティングだと痛感しました。
生産、加工、出荷の全てにわたって“おいしいバナナづくりにこだわるこのストーリーをお客様の心に響かせることが、強いブランド農産物づくり”に不可欠であると思いました。

これが出来ていないのは、生産、加工、販売の各分野の方々の連携が不十分だからだと思います。フレンドリーバナナの強いブランドづくりに、関係者全員の全体最適志向の取り組みを期待してやみません。

世間で強いブランドと思われている商品(サービス)には、お客様にその商品の良さだけを訴求するのではなく、「お客様の心に響くストーリー」がその商品の陰に隠れていることを知って欲しいのです。それが、お客様の口コミを通じて「購入するための理由」として広がっていることを再発見してみて下さい。